自己都合退職の失業手当は「7日+1か月」待つ|その空白に、FXの口座へ生活費を入れない
会社を自分の都合で辞めると、雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)は、すぐには出ません。厚生労働省によると、受給資格の決定から7日間の待期のあと、さらに原則1か月の「給付制限」があります。辞める前の私は、この空白を「FXで少しつなげばいい」と軽く考えていました。いまは、この期間ほど相場から離れておくべき時はない、と思っています。
「手当が出るまでの1か月くらい、FXでつなげばいい」と、私は思っていた
脱サラを決めた頃の私は、専業でFXをやれば時間もお金も自由になると、本気で信じていました。だから、会社を辞めてから手当が出るまでの間も、相場で生活費の足しくらいは作れるだろう、と計算に入れていたのです。
結論から書きます。収入が途切れた月ほど、相場には近づかないほうがいい。これは私の経験から、はっきり言えます。給料が入らない月は、1回の負けが生活費の穴に直結します。穴を埋めようとして、また画面の前に座る。収入が細い時期ほど人はFXに近づきたくなる、という心の動きを、私は自分で何度も見てきました。
自己都合の給付制限は、2025年4月から原則1か月になった
まず、空白の長さを正確に知っておきます。厚生労働省の案内では、正当な理由がない自己都合退職の場合、7日間の待期のあと1〜3か月は基本手当が支給されません。これを給付制限と呼びます。
| 退職の状況 | 給付制限(待期7日のあと) |
|---|---|
| 退職日が2025年4月1日以降の自己都合退職 | 原則1か月 |
| 退職日が2025年3月31日以前の自己都合退職 | 原則2か月 |
| 退職日から遡って5年間に、正当な理由のない自己都合退職で2回以上受給資格決定を受けた | 3か月 |
| 自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇) | 3か月 |
もう1つ、2025年4月からの新しい仕組みがあります。雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の施行で、リ・スキリングのための教育訓練などを受けた場合は、給付制限が解除されて基本手当を受けられるようになりました。対象になる訓練は、厚生労働省の教育訓練給付制度の検索システムで探せます。
つまり、いまの自己都合退職なら、空白はおおむね「7日+1か月」です。以前の原則2か月よりは短くなりました。それでも、5週間あまり収入がゼロになることに変わりはありません。
給付制限が明けても、もらえる日数と1日の上限は決まっている
空白が明けたあとに入ってくる金額も、先に確かめておきます。ハローワークインターネットサービスによると、自己都合退職のような一般の離職者の所定給付日数は、被保険者だった期間で決まります。
| 被保険者だった期間 | 所定給付日数(一般の離職者・全年齢) |
|---|---|
| 10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
1日あたりの金額(基本手当日額)は、離職前の6か月に毎月きまって払われた賃金の合計を180で割った「賃金日額」のおよそ50〜80%です。60〜64歳は45〜80%で、賃金が低い人ほど高い率になります。年齢ごとの上限は、2026年8月1日現在で次のとおりでした。
| 離職時の年齢 | 基本手当日額の上限 | 30日分(筆者の計算) |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 7,450円 | 223,500円 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,270円 | 248,100円 |
| 45歳以上60歳未満 | 9,110円 | 273,300円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,830円 | 234,900円 |
右の列は、上限の日額が30日続いたと仮定した数字で、実際にはこれより少ない人がほとんどです。受給期間は原則として離職日の翌日から1年間なので、手続きを先延ばしにすると、日数を使い切れないこともあります。
空白の「7日+1か月」の生活費は、FXとは別の口座に先に置く
いまの私が、これから辞める人に伝えるとしたら、順番は1つだけです。辞める前に、空白の期間に要る生活費を、FXの口座とは別の口座へ先に移しておくこと。家賃、光熱費、国民健康保険と国民年金の支払いまで含めて、5週間あまりを手当なしで暮らせる金額です。
FXの口座に入れるお金は、なくなっても生活が止まらない分だけにする。生活費とFXの資金が同じ口座に入っていると、負けた日に「来月の家賃の分で取り返そう」と考えてしまいます。2つの口座の間に線を引いておけば、その考えが頭に浮かんでも、手を動かす前に一度止まれます。
手当を受けている間の収入の扱いも、自分で決めつけないほうがいい。申告が要るか迷うものは、認定日の前にハローワークで確かめます。ハローワークの案内には、偽りの申告で手当を受けた場合、返還に加えて、不正に受けた額の2倍に相当する額以下の納付を命じられることがある、と書かれていました。
まとめ|空白の期間は、相場から一番遠い場所に置く
2025年4月1日以降の自己都合退職では、基本手当は7日間の待期と原則1か月の給付制限のあとに出ます。5年で2回以上の自己都合退職や重責解雇なら3か月です。給付が始まってからも、日数は90〜150日、日額には年齢ごとの上限があります。空白の期間の生活費は、辞める前にFXとは別の口座へ移しておく。それが、収入の途切れた月に相場へ近づかないための、私なりの線の引き方です。
よくある質問
自己都合で退職すると、失業手当はいつから出ますか?
退職日が2025年4月1日以降なら、受給資格の決定から7日間の待期のあと、原則1か月の給付制限が終わってから支給の対象になります(厚生労働省)。
給付制限が3か月になるのはどんな場合ですか?
退職日から遡って5年間のうちに、正当な理由のない自己都合退職で2回以上受給資格決定を受けた場合と、重責解雇の場合です。
給付制限をなくす方法はありますか?
2025年4月以降、リ・スキリングのための教育訓練などを受けた場合は、給付制限が解除され基本手当を受けられます。対象の訓練は厚生労働省の検索システムで確認できます。
自己都合退職だと、何日分の手当がもらえますか?
一般の離職者は被保険者期間で決まり、10年未満は90日、10年以上20年未満は120日、20年以上は150日です(ハローワークインターネットサービス)。
本記事に掲載した給付制限の期間は厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」、所定給付日数・基本手当日額の上限(2026年8月1日現在)・受給期間・不正受給の扱いはハローワークインターネットサービス「基本手当について」「基本手当の所定給付日数」から、2026年11月1日に確認して引用したものです。上限額の30日分は筆者が計算しました。給付の可否や金額は個人の状況で異なるため、必ずお近くのハローワークでご確認ください。FX(外国為替証拠金取引)は為替相場の変動により損失が生じるおそれがあり、預けた証拠金を上回る損失が生じる可能性があります(元本保証はありません)。本記事は情報提供および筆者の体験の記録を目的としたもので、特定の取引や行動を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。参考:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00045.html、ハローワークインターネットサービス https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html、https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html。写真:Openverse(CC0・パブリックドメイン)。本サイトはアフィリエイト広告(成果報酬型広告)を利用しています。