解約できない資金を、脱サラ後に置けるか|生活防衛費との線引き
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「1円から投資をはじめられます」。この一文を見たとき、私はいいなと思いました。会社を辞めた直後の私は、投資に回せる金額が本当に小さかったからです。
けれど同じサイトの別のページに、こう書いてありました。「運用期間中の解約はできません」。結論から書きます。私にとって難しいのは、出す金額を決めることではなく、戻せない場所に置いていい金額を決めることでした。
会社員のころは、この条件を軽く読んでいた
給料が毎月同じ額で入ってくるあいだ、私は「数か月動かせない」という条件をほとんど気にしていませんでした。次の給料日が決まっているなら、その間は動かさなくても困らないからです。
脱サラしてから、その前提が消えました。入金の額も日付も月ごとに違います。「来月は少ない」と分かるのが、たいてい今月の後半です。動かせないお金があると、その分だけ判断の余白が減ります。
「解約できません」は、どこに書いてあるか
Fundsのリスクの説明ページに、短く書かれています。「運用期間中の解約はできません」。
別のページには、もう少し踏み込んだ書き方がありました。下に原文のまま置きます。
| 公式ページ | 記載(原文のまま) |
|---|---|
| リスクについて | 運用期間中の解約はできません |
| 投資のヒント | 一度投資をするとお客様の都合で中途解約することができません。余裕資金での投資を行いましょう。 |
サービス側が「余裕資金で」と書いている。ここは読み飛ばすところではないと思いました。余裕資金の定義は人によって違うのに、その定義を決める作業は投資家側に残されています。
1円からという入口には、但し書きが付いている
金額の下限についても確認しました。公式のトップには「1円から投資をはじめられます」とあります。ただ、別の解説ページでは「原則として1円から投資頂けますが」という書き方でした。「原則として」が入っているので、案件によって条件が変わることがあると読みました。
費用は「手数料は無料」とされ、「振込手数料はお客さまのご負担となります」と続きます。入金のたびに実費がかかるので、少額を何度も動かす使い方とは相性がよくありません。
予定利回りは、受け取れる利回りではなかった
私はこの言葉を長く誤解していました。予定と書いてあるので、予定どおり入ってくるものだと思っていたのです。
公式の用語説明では、予定利回りは「投資した元本に対して、年率ベースでどれだけの収益が見込まれるかの数値」で、「ファンドの運用が想定通りに進んだ場合の期待値」と書かれています。想定通りに進んだ場合、という条件が先に付いています。
「固定利回りの資産運用」という表現にも注記がありました。「※固定利回りとは、ファンドの利回りが募集時に定められていることを意味しており、利回りを確約するものではありません」。固定されているのは数字が募集時に決まっていることであって、受け取りではありません。
貸す相手と、貸し倒れについての記載
貸付ファンドなので、資金は誰かに貸される形になります。公式のトップには「投資先は『上場企業』が中心」とありました。運営はファンズ株式会社(旧社名 株式会社クラウドポート)で、登録は「第二種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3103号」です。
そのうえで、リスクのページにはこう書かれています。「金融商品である以上100%貸し倒れが起きないと言い切ることはできません。」。ここまで書いてあるものを、私は言葉どおりに受け取ることにしています。
実績についての記載もありました。「※Fundsではこれまで元本毀損が発生したことはございません(2025年4月30日時点)。」。日付が付いた過去の記録です。将来を約束する文ではありません。
上に写したのは、私が公式ページから確認した執筆時点の記載です。解約の可否も費用も、あとから変わります。下はFundsの案内です。増やすことを勧めるものではありません。募集中のファンドの予定利回りや運用期間、そして戻せない期間の長さを、自分の目で最後まで読んでから決めてください。(PR|本リンクは広告です)
私が控えた数字
手記なので体感を書いてきましたが、判断の材料になった数字だけは正確に写しておきます。すべて2026年9月6日に公式ページで確認したものです。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 運営会社 | ファンズ株式会社(旧社名 株式会社クラウドポート) |
| 登録 | 第二種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3103号 |
| 加入協会 | 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 |
| 最低投資金額 | 1円から投資をはじめられます/原則として1円から |
| 手数料 | 手数料は無料(振込手数料はお客さまのご負担) |
| 解約 | 運用期間中の解約はできません |
| 元本 | 元本は保証されません |
| 元本毀損の実績 | これまで元本毀損が発生したことはございません(2025年4月30日時点) |
| 年齢の条件 | 成年の方/75歳未満の方(所定の商品理解度チェックを通過した場合を除く) |
この表を作って気づいたのは、金額に関する条件は1つしかないということでした。1円から、という下限だけ。残りは全部、資格と、戻せないことと、保証されないことの話です。金額の話ばかり見ていた自分の目線が、少しずれていたのだと思います。
収入が揺れる人ほど、順番が逆になりやすい
会社を辞めたあと、私は何度か順番を間違えました。入ってきた月に「余った」と感じて、その分を先に投資へ回してしまうという順番です。
この順番だと、少ない月に手元が薄くなります。そして薄くなった月ほど、相場やファンドの画面を開く回数が増えました。収入が細いときほど、増える話に近づきたくなるのだと思います。
いまは順番を固定しています。
- 数か月ぶんの生活費を、動かさない場所に確保する
- 近いうちに使う予定があるお金を、別に取り分ける
- 残った中から、運用期間が終わるまで触らなくていいと言い切れる分だけを出す
3番目に残る金額は、想像よりずっと小さかったです。でも私は、この小ささのほうが続くと感じています。戻せないお金の大きさは、生活の安定と引き換えになっているからです。
始める前に確認される条件
口座開設の条件も見ておきました。公式のよくある質問には「成年の方」「75歳未満の方(ただし、弊社所定の商品理解度のチェックにおいて、商品理解が投資を行うのに必要な水準にあると認められた場合を除きます。)」「日本に居住している方」「反社会的勢力等に該当しない方」「弊社の審査を通過した方」が挙げられていました。
申し込めば必ず使えるわけではありません。審査の通過も条件に含まれています。
私がいま置いている線
専業でFXをやろうとしていたころ、私は「増やせば不安が消える」と本気で信じていました。消えませんでした。消えたのは、生活の側に余白を作ったときです。
だから貸付ファンドについても、判断の基準は利回りではありません。その金額が運用期間のあいだ手元から消えても、私の来月が変わらないかどうか。それだけを見ています。
元本については、公式に「元本は保証されません」と書かれています。増えるかどうかは私にも分かりません。分かるのは、戻せない期間の長さと、その間に自分の収入がどれくらい揺れるか。この2つは、始める前に自分で測れます。
本記事は2026年9月6日時点で公開されている各社の情報をもとにした手記であり、特定の商品の購入や口座開設を勧めるものではありません。貸付ファンドは預金ではなく、元本は保証されません。運用期間中の解約はできないと公式に案内されています。条件・数値は変更される場合がありますので、最新は各社の公式ページと契約締結前交付書面でご確認ください。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。